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入院中の子どもたちに快適なパジャマを

岡山県立興陽高等学校 家庭クラブ
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(後列左から)
島村 果凛 さん、山村 奈和 さん、長田 梨香 さん
(前列左から)
金尾 彩加 さん、伏見 優乃 さん

探究活動のテーマは何ですか?

私たちの活動は、小児用点滴パジャマの製作です。岡山県にある民間のボランティア団体様からの依頼をきっかけにスタートしました。「小児用点滴パジャマ」とは、入院している子どもたちが点滴をしたままでも簡単に着替えができるよう考え、開きの部分を工夫してデザインした病衣で、素材には「さらし」を使っています。岡山県ではお寺にさらしを納める風習が残っていて、お布施として納められたたくさんのさらしを岡山市仏教会様が提供してくださいました。この「さらし」を活用することが、今回の活動の大きな目的でもありました。

どのように活動を進めましたか?

まずは子ども用の病衣とはどのようなものなのかを知るために市販の病衣を購入し、医療従事者の方からの聞き取り調査を並行して行いながら現状と課題を調査しました。その後何度も試作品を作り、その都度現場の意見をもらって改善しながら病衣のデザインを決定していきました。医療従事者の方とやりとりをしてデザインの型を決定するまでは家庭クラブ本部役員が中心になって行い、型が決定してからは家庭クラブ員全員で量産しました。

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進める上で困ったことは?

さらしという素材を扱った経験がほとんどなかったので、慣れない素材でいかに機能性と着心地のよさを兼ね備えた病衣を作るか、試行錯誤しました。また、使用後の病医は、業者洗濯により、40℃の温水洗濯後、高温でタンブラー乾燥されるのですが、さらしの性質上、高温処理をすると少し縮んでしまいます。そのことがわかってからは、洗濯後、少し縮むことも想定し、サイズを変更して作り直しました。

今後の活動予定は?

さらしを使用した点滴パジャマの製作を継続しながら、より良いものにするために改良と研究を続けています。今年度は、点滴パジャマをより身近なものにするために市販品をアレンジする作り方を研究しました。市販のTシャツを使った作り方の動画を作成したので、今後はそれをどう広めていくかを検討中です。たくさんの方にこの点滴パジャマが広まり、入院している子どもたちや家族の方、そして医療従事者の皆さんの負担を少しでも減らすことができるようこれからも活動していきます。

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(取材日:2024年1月23日)