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不登校経験者の私たちが伝えたいこと

岡山県立烏城高等学校
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(左から)3年 
森田 未桜 さん、難波 舞子 さん、畑中 萌依 さん、森兼 奈美 さん

探究活動のテーマは何ですか?

私たちは「不登校」をテーマに、さまざまな理由で十分な学びを受けられなかった人が通える夜間中学などの施設について調べました。進路について考えたときに教育の分野に興味があったことと、メンバーのなかにも不登校経験者が多かったことから、不登校をなくすために何かできることを考えたいと思いこのテーマを選びました。

どうやって情報を集めましたか?

岡山市内にある自主夜間中学などにアポイントをとって、実際に見学に行かせていただきました。二つの施設を訪問したのですが、一つは担当者の方から施設の概要を教えていただき、もう一つの施設では利用者がいる時間帯に訪問して、学びの様子を見ることができました。また、校内で不登校に関するアンケートも実施しました。アンケートをとったことで、不登校経験者の割合だけでなくその理由なども詳しく知ることができました。

進める上で大変だったことは?

不登校者の支援をしている施設の訪問に関しては、「個人のプライバシーに関わることなので」との理由で訪問を断られることもありました。また、不登校者の学習を支援している夜間中学などについて調べたものの、その結果をまとめていくなかで「これでは不登校者を減らすことにつながらないのでは」と思い至り、急遽、まとめに自分たちの当事者としての思いを追加することにしました。

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人前での発表を通して気づいたことは?

人前で不登校の当事者だったことを発表するのが本当はいやだったけれど、私たちにしか伝えられないことがあると思い、発表の場に参加しました。思った以上にたくさんの人が興味を持ってくれて、質問もたくさんいただけたことはうれしかったです。今回の発表では、不登校の子どもを見守っている周囲の人にこうしてほしいということを中心にまとめましたが、もっと、不登校者本人に向けてのメッセージも盛り込めばよかったなというのが反省点です。また、夜間中学など学校以外の学びの施設があるということを、もっと広く知ってもらう方法についても考えなければいけないと感じました。

今後の課題は?

今年の発表では、当事者の思いが強かったため主観でまとめを作ってしまったので、今後はさらにアンケートをとって客観的なデータの分析などもしながら研究を深めていきたいです。また、別の支援施設にも訪問して、不登校者の学びの場についてさらに知識を深めていけたらと思います。

(取材日:2024年1月31日)