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学校の枠を超えて、同世代の仲間とともに地域をもっと楽しくしたい

つやま城下ハイスクール

つやま城下ハイスクールとは?

津山市内の高校に通う生徒が、学校や学年を超えて一緒にまちの未来を考えるための仕組みです。古い施設の利活用や社会実験としての公園作りといった活動のなかに高校生のフレッシュなアイデアを生かすことで、まちづくりを通して次の時代の担い手を育てることを目的にしています。地域の企業で働く大人や行政のサポートを受けながら、高校生ファーストでさまざまなアイデアを出し、実現に向けて活動しています。

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左:有田 華梨 さん(岡山県立津山商業高等学校2年)
中:日下 大輝 さん(岡山県立津山東高等学校3年)
右:田村 楓 さん(岡山県立津山工業高等学校2年)

2023年度はどのような活動をしましたか?

日下:
11月にイベントがあったのですが、それに向けて高校生自身がそれぞれやりたいことを考えて役割分担し、進めていきました。僕は飲食班だったので、自分たちでドリンクを提供することを考え、地元の飲食店にもリサーチしながらどんなドリンクメニューを出すか考えました。

田村:
私は展示班で活動しました。人に興味があったので、知らない人を調べたら面白そうだなと思い、津山市出身の学者である森本慶三について調べてイベントで展示を行いました。

有田:
私は木工班として、イベントに来場するお客さんに使ってもらう卓球台や黒板付きの看板を製作しました。どんな人にどう使ってもらいたいか、ターゲットやコンセプトなどの企画から考えて、地元の大工さんたちにもアドバイスをもらいながら進めていきました。

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進める上で大変だったことは?

田村:
展示班は4人だったんですが、それぞれ高校も違うのでなかなか会う時間がとれなかったことです。オンラインでもミーティングを行うなどしてカバーしましたが、話し合った内容を忘れていたり、作業をお願いしたつもりが伝わっていなかったりという伝達ミスもありました。

有田:
どんなものを作るかというコンセプト作りから考え始めたので、準備期間もかなり必要になりました。また、実際に作る作業だけでなく塗装が乾く時間も必要ということで、イベント開催までに作り上げるためのスケジュール合わせが難しかったです。

それをどう解決しましたか?

田村:
実際に会ったとしてもオンラインでも、やっぱり話すだけだと忘れてしまったり認識のズレが起こったりするので、決まったことはLINEで送って文字として残すようにしました。

有田:
地元の大工さんやものづくりを仕事にしている方にもアドバイスをいただき、どんな作業がどれくらい必要なのかを把握しました。それを参考に、じゃあ高校生の自分たちでどう進めていけばいいだろうと考え、時間の使い方に意識を向けて進めていきました。

日下:
どの班もいろんな学校の生徒が参加しているので、放課後の予定を合わせるのは難しかったと思います。自分たちも、平日の放課後が難しかったら土日を使うなどして打ち合わせを重ねていきました。ただ、「みんなが集まれる日がないから作業が進まない」という状況はよくないので、そういうときはオンラインもどんどん活用したらいいと思います。全員が集まることを目標にせず、個々で考えられることは考えて、それをオンラインで共有するようにするとスムーズに進めていけると思います。

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活動を振り返ってよかったと思う点は?

田村:
他校の生徒といろいろな話ができたことと、新しい出会いがあったことです。活動を通して普段行かないような場所にも行けて、新鮮な刺激がたくさんありました。

日下:
高校生って一日のほとんどを自分が通う学校で過ごすと思いますが、そこを超えて大人の人や他校の後輩と交流できるのが城下ハイスクールのいいところだと思います。後輩たちにもここでの活動を楽しんでもらいたいですね。

有田:
卓球台は、どんな人にどう使ってもらいたいか、ものすごく考えて悩みながら作ったので、完成したものに対してすごく愛着もわいたし、実際使ってもらっているのを見て達成感を感じました。自分が住む地域のイベントに携われたことがすごくうれしかったので、将来もこんな仕事ができたらいいなと、進路について考える機会にもなりました。

探究活動を進めていくポイントは?

田村:
最初にアイデアをたくさん出すこと。実現できるかどうかは考えずにまずいっぱいアイデアを出して、そこから自分たちでできることを考えていくのが大切だと思います。

有田:
ものづくりにおいては、ターゲットやコンセプトをしっかり決めて、そこをブレさせずに進めていくことが肝心だなと思いました。

日下:
作業を分担するうえで、自分が得意なことを自分からアピールすることも大切だと思います。僕だったらコミュニケーションとか話すことが自分の強みだと思っているので、大人の人とのやりとりも先頭に立ってやっていました。メンバーそれぞれが自分の強みを生かして作業ができるとスムーズに進むし、よりよいものができると思います。

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(取材日:2024年3月19日)