生産から販売まで!
アクアポニックスで工業高校の限界を突破!

探究活動のテーマについて教えてください。
僕たちは、アクアポニックスに取り組んでいます。
アクアポニックスとは、水産養殖と水耕栽培を同時に行って、魚のフンの栄養素(窒素やリン酸)を、植物の成長に利用する循環型農業です。
東岡山工業高校では、5つの専門科(機械科・電子機械科・工業化学科・設備システム科・電気科)が協力し、それぞれの得意分野を生かしながらアクアポニックスに取り組んでいます。工業化学科の僕たちは主に水産養殖の部分に深く関わっています。

この水槽では、岡山理科大学さんの協力を受けながら、「好適環境水」という海が近くになくとも魚を育てる環境が作れる特別な水を使って、メバルを育てています。
日々どのように取り組んでいますか?
探究活動と部活動の両面からアクアポニックスに取り組んでいます。
例えば、魚が暮らす水槽の水質を確かめるために硝酸値を計測しているのですが、数値は毎日変わるのでの欠かさず計測しなければなりませんし、魚にとっていい環境を作るためにフン掃除は毎日欠かせません。探究の授業だけではなかなか毎日の管理が難しいので、化学研究部のみんなで協力しながらアクアポニックスに取り組んでいます。
活動を進めるうえで難しいことはありますか?
アクアポニックスの作業面においては水槽の水替えがとても大変です。水道水を貯めて好適環境水を作って半分ずつ水を入れ替えるんですけど、45リットルのバケツしかないので何度も入れては貯めてを繰り返すので結構体力を使います。
チームで活動するという点においては、学校全体で取り組むプロジェクトということもあって多くの生徒が携わっているので、連携したコミュニケーションをとることがなかなか難しいですね。
取り組むにあたって大切にしていることを教えてください。
魚とのコミュニケーションをとることを大切にしています。魚もひとつの命なので、魚の気持ちも忘れずに、水槽の衛生面や環境を気にかけてあげて、対話することを自分のモチベーションにもしています。
泳いでいる魚を見て、「きょうは変な動きだな」とか「調子悪そうだな」とか、些細な変化にも気づけるくらい魚と向き合っていきたいと思っています。

活動を通してどんな経験ができましたか?
問題が起きたときに、みんなの意見から原因を探って、答えを導きだすという経験ができました。
以前、水槽の魚の様子がおかしいなと感じた時があったんですけど、日ごろから水槽の管理をしているメンバーで話し合って、「もしかしたら原因はここにあるんじゃない?」「こうした方がうまくいくのでは?」など、それぞれの観察眼を生かしながら、意見を出し合い、結果、酸素が少なくなっていたことを導き出すことができました。魚にとっても自分たちにとってもいい経験になりました。
これからの目標を教えてください。
ビジネスプランコンテストがあるので、アクアポニックスを題材にして優勝できるように頑張りたいです。
あとは、僕らが卒業する頃には養殖した魚を食べられるようになっていたらいいですね。
実際に販売して、「東工ブランド」の魚を世の中に流通させたいと思いながら日々取り組んでいます。
