国産オーガニックコットンのよさを広めたい

何のテーマでどのように進めましたか?
テーマは国産オーガニック綿花を使った特産品作りです。興陽高校では2023年度から綿花を栽培していて、その綿を使ってクッションを作り、東京にあるとっとりおかやま新橋館で販売することを目指しています。2023年度はポーチなどを外部の団体に委託して製作してもらい文化祭で販売したのですが、2024年度は被服デザイン科の生徒にクッションを作ってもらったので、原料の栽培から製品化まですべて校内で行うことができました。そして、さらに多くの人にこの取り組みや国産オーガニック綿花の魅力を知ってほしいという思いから、東京での販売を計画しました。
このテーマを選んだ理由は?
興陽高校がある岡山市南部は元々干拓地で、昔から土壌の塩抜きのために綿花が栽培されていました。この地域で綿花栽培が盛んに行われていたことにより、岡山県で繊維産業が発展したといわれています。今はもう綿花は作られなくなっていますが、地域の農業を支え、重要な繊維産業のルーツとなった綿花栽培を復活させ、この綿花を使った特産品を通して岡山の魅力を広めたいという思いで活動しています。さらに、興陽高校で育てている綿花は、コロナ禍に岡山空港で育てられていた綿花の種で栽培がスタートしました。コロナで利用者が減った空港を盛り上げようと栽培されていた綿花の種をもらって、そこからまた岡山の魅力を発信するような特産品を作れたらと思っています。

進める上で大変だったことは?
綿花は9月から11月にかけて収穫するのですが、無農薬で栽培している綿花は害虫が付きやすく、暑い時期は害虫も多くなるので、収穫するのは大変でした。加えて、収穫したあとの綿花の中には硬い種が入っていて、それを手作業や専用の道具を使って一つひとつ取り除かなければいけないのです。時間も人手も必要なその作業は、栽培管理の授業や農業クラブの役員みんなで手分けして、放課後、さらには自宅に宿題として持ち帰って地道に進めていきました。

活動を振り返ってよかったと思う点は?
外部の専門家の方にアドバイスをいただけたことです。岡山空港から種をいただいたこともあり、岡山空港のコーディネーターさんには2023年からアドバイザーとして協力していただいていました。加えて今年は、より多くの人にこの取り組みを知ってもらうためにクラウドファンディングにも挑戦したので、クラウドファンディングに詳しい方に来ていただいて、どのサイトに載せるのがいいか、どんな文章でどんなことを伝えたらいいかなど、細かい部分までアドバイスをいただきました。私たちも、どうやったらページを見た人が寄付したいと思ってくれるかを考えながら文章を作りました。そのかいあって、目標金額60万円に対し107万4,000円の寄付をいただくことができました。

クラウドファンディングの経験を通して、ものを売ったりお金を集めたりするには事前の準備がとても大切だということを学びました。サイトの構成や文章作成にも時間をかけましたが、クラウドファンディングは最初の1週目が大切とアドバイザーの方から聞いたので、サイトがオープンしたらすぐに見てもらえるように、身近な人、家族や友人はもちろん、卒業生の先輩にも声をかけて協力をお願いしました。目標金額を超えたことはもちろんうれしいですが、応援コメントもたくさん寄せていただいて、とても励みになりました。
今後の目標は?
出来上がったクッションは、「興陽高校の綿雲クッション」としてとっとりおかやま新橋館で2025年1月31日に販売します。予定では100個ほど持っていくことにしているのですが、それをすべて売って帰ってくるのが今の目標です!