高校生と見つける、私たちのSDGs探究ネット

身近な海の魅力にもっと目を向けてほしい

香川県立小豆島中央高等学校
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田口 未空 さん、平田 ひな さん

このテーマを選んだ理由は?

私たちは、「瀬戸内海の豊かさと海ゴミ問題の深刻さを地域に発信すること」を目的として、海ゴミを使ったアートと魚を一緒に展示する海護美(うみごみ)水族館という企画を考えました。
私たちは、高校進学を機に小豆島に来たのですが、島で生まれ育った人は意外とこの海の魅力に気付いていないと感じたこと、きれいだと思っていた海にも海岸清掃に参加してみるとたくさんの漂着ゴミがあると知ったことなどから、もっと小豆島の海に関心を持ってもらいたいと思うようになりました。最初は、海のアクティビティを通して魅力を伝えようと考えていましたが、海のアクティビティはすでに体験できる施設がたくさんあるうえ、季節や年齢などの制限があると気づき、もっと幅広い人が季節を問わず利用できるものを考えた結果、水族館というアイデアが浮かびました。そこに、私たちが清掃活動を通して気付いた海ゴミの問題もあわせて、海ゴミアートと魚の展示を掛け合わせた海護美水族館の構想が生まれました。

どうやって情報を集めましたか?

インターネットでの検索や論文調査をしつつ、私たちの目指すものに近いと感じた高知県の「むろと廃校水族館」にメールによるインタビューを行いました。また、町役場にも自分たちの企画をプレゼンしに行ったのですが、その場面でたくさんの課題をいただきました。その課題をクリアするため、アドバイスをもらえそうな企業や団体を紹介いただいたおかげで、たくさんの地域の方と繋がることができ、貴重なアドバイスをもらうことができました。2年生の夏に海護美水族館がアイデアとして、はっきりとした形になったのですが、そこから町役場や地域の方にさまざまな意見をいただきながら、実現に向けて何が必要かを考え続けていました。その後、行政機関と協働を図りながら、3年生の6月に島内で海護美水族館の実証実験を行いました。また、7月には大阪・関西万博で、取り組みに関する成果発表を行う機会をいただきました。関西万博での発表は、全国の方々に小豆島の海ゴミ問題を知ってほしいという思いだけではなく、小豆島に限らず、それぞれの人が自分の住んでいる地域の魅力や課題にもっと目を向けてほしいなという思いで発表しました。

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海護美水族館の実証実験は、どのように行いましたか?

海護美水族館を実現するまでにさらにどんな課題があるのかを探し、地域の方の意見を聞くために、島内の道の駅で実証実験を行いました。展示する魚は、地元の漁協から売り物にならない魚、いわゆる未利用魚を提供してもらい、その水槽の周りには実際に小豆島の海で回収した海ゴミを使ったアート作品を制作して展示しました。また、実証実験を行うにあたり、地域の企業が水槽を置く台を提供してくれたり、地域住民の方からも水槽の提供があったりとさまざまなサポートをいただきました。アンケートでは、「海ゴミと魚を同時に見ると、ゴミの排出を減らさなければと思った。」など、肯定的な意見がたくさん寄せられました。イベントに来ていた子どもが、展示を見て目の前の海でゴミを拾って持ってきてくれたときは、とてもうれしかったです。

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探究活動を進めていくポイントは?

とにかく地域の人たちを巻き込むことだと思います。高校生だけでできることは限定的だなと感じましたが、地域の企業や団体を巻き込んでいくことで、活動の幅が広がったり探究が深まったりすると思います。私たちも、地域の方々に協力してもらえたことで、私たちだけでは知ることができなかった専門的な知識を得ることもできたし、新しいアイデアや課題の解決法を見つけることができました。自分たちの力だけでは実現できないことも、周囲の大人の力を借りれば、きっと実現に近づけると思います。

(取材日:2025年11月14日)