気軽に集まって、ゆるいつながりが生まれる「昼スナック」って何?
紫乃ママから人生のチャンスを引き出す秘訣を聞いてみた
2022年11月26日(土)に瀬戸内海放送 高松本社(香川県高松市上之町)で開かれた「よいことカイギ」。
今回は東京都から、「スナックひきだし」を週1回営む、株式会社ヒキダシ 代表取締役 木下紫乃さんが出張版昼スナックをオープン!(香川県初)
集まった県内の会社員や学生などに向けて、「自分のヒキダシを見つける方法」を話してくださいました。
「ヘンテコな話ですが“昼スナック“と言って、木曜日の昼間から4時間だけスナックを開店しています。もう5年ぐらいです。」
木下さんはキャリア研修講師や個人の人生相談に乗る傍らで、「スナックひきだし」のママをしています。
「紫乃ママ」と呼ばれている木下さんは54歳。
周りの同年代よりも行動力があり、会社員時代にはボランティアや大学院に行っていたそうです。
その経験が人生の選択肢となって昼スナックのママになったと話します。
- 30代 会社員を続けてきたが仕事に飽きてくる
- 30代半ば 刺激を求め、仕事の合間にボランティア活動。新しいつながりや経験ができる。
- 45歳 大学院に進学し、若い世代と関わることで自分の世界を広げる。
- 47歳 退職して㈱ヒキダシを立ち上げる。
起業したばかりの時は、同世代が自分のように世界を広げてほしい、その手助けをしたいと考えて中高年向けセミナーを開いていました。しかし、より気兼ねなく人が集まれる方法を考えたところ「昼スナック」にたどり着いたそうです。
「びっくりしたのは、スナックをやるとセミナーの時よりもたくさん人が来るようにったこと。雑談の中から新しいアイデアが生まれるようなことをみんなが欲していると分かりました。」
次に木下さんは、「人生100年時代」について説明し、高齢まで社会とつながり続ける必要がある中で、「お金」「健康」「人とのつながり」が大事であることを本や研究事例から学んだと話します。
そしてこれからは、次の3つの居場所を持つことを提案しました。
自分のヒキダシを見つける方法①:3つの居場所を作る
- ライスワーク
組織や社会に貢献しながらすぐ収入になること(会社・学校など) - ライフワーク
すぐ収入にならなくても、自分が学びたいことや得意を活かせそうな興味があることで集まる場所(勉強会、ボランティアなど) - ライクワーク
収入とかを気にしないで好きなこと、好きな人たちと集まる場所
(サークル活動、習い事、オンラインゲーム、スナックなど)
居場所が3つである理由は、異なる領域の人やテーマでつながることで新しいチャンスに出会えること、そして場所によって担う役割が変わることで、自分のポテンシャルが発見できるからです。
しかし何事も新しい場所に入ることは勇気が必要で、不安も付いてきます。
そこで木下さんが次の秘訣として出したのは、「自分にタグを3つ付ける」ことです。
自分のヒキダシを見つける方法②:自分にタグを付ける
タグを付けることで個性が分かる自己紹介ができると話す木下さん。
彼女のタグを例にすると、構成は以下です。
- #セミナー講師をしています
職業など、分かりやすい基本となる情報。 - #昼スナックのママ
1つ目とは別の一面を出して、意外性を持たせる。 - #結婚3回目です
ツッコミどころのある情報。人に話せる失敗談は素敵なネタになる。
1つの要素はありきたりでも、3つ組み合わされば他の人と被りにくく、その人らしい部分が見えてきます。タグには完璧さよりも、アンバランスな魅力を演出することがポイントです。
最後に木下さんは、
3つのタグを作って3つの居場所を持てたとしても「それだけじゃつまらないですよね」と言い、
その次のステップとして、何かの主催者になってほしいと話しました。
自分のヒキダシを見つける方法③
さらに1歩、何かの主催者になる。どんどんやり散らかす
「スナックのカウンターの外で飲んでいる人は、ぜひカウンターの中に入ってみてほしい。
何かのイベントや読書会、飲み会でもいいから自分がやりたいことを開いてほしい」
と木下さんが主催者になることを強くおすすめする理由は、
- 自分のやりたいことを多くの人に知ってもらえる
- 参加者以上に多くの人とつながれる
- たくさんの情報が得られる
- やりたい実験ができる
- 好きなゲストが呼べる
- 勝手に面白い人を連れてきてもらえる
などのメリットがたくさんあるからです。
木下さんはスナックを開いたことで得られたものが多くあり、
例えば2020年に「45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気」という本を出版していますが、
それもスナックに来た人がきっかけになったと言います。
また何事も「やり散らかす精神」が大事だとして、
失敗は経験の1つだととらえること、違ったと思うことはやめてやり直したらいいという木下さん流の考えを伝えました。
「ぜひ皆さんも3つの居場所と、その中に入っていくためのタグを試行錯誤しながら付ける。それをどんどんやり散らかしてくれたらうれしいです。」