よいことカイギ 「企業と地域貢献」

企業も地域も大切なのは「人」である。
岡山を巻き込み、楽しく、誇りが持てることを目指す、5人の熱い思いを聞きました。

2023年2月10日(金)。
瀬戸内海放送 岡山本社(岡山県岡山市北区大供)で開催された「よいことカイギ」では、「企業と地域貢献」をテーマに岡山県内の5社が集まり、高校生と大学生の前で話をしました。

よいことカイギとは、  岡山・香川で「新しいことに取り組む企業」「将来を担うリーダーや若者」が一緒に地域をよりよくすることや、面白くすることを考える活動です。
2019年8月~2022年3月まで行われた「おかやま100人カイギ」がきっかけとなっています。

【企業の存在意義】オーユーシステム 南石拓哉さん

オーユーシステム 南石拓哉さん

「あくまで僕の考えですけど、世の中に地域貢献ができていない人など存在しない。自信を持って生きてください。ただ、おごらず、感謝の気持ちを持ってください。」

南石さんが代表取締役社長を務めるオーユーシステムは、全国約1000社と取引を行うシステム会社ですが、2022年に火事で全焼した倉敷市の「ベトコンラーメン」の復活にも力を注ぎました。

なぜシステム会社が飲食店を復活させたのか?

南石さんは、近所で馴染みのあるベトコンラーメンの店が、火事の後そのままにされていたことが気になったと話します。

「なんで早く復活しないのか調べたら、前の店主や仕入れ先など困っている人がたくさんいました。店を復活させれば、みんな喜ぶと思いました。」

そこに関わる全ての人にとってプラスになることを行う。それが商売であり企業の存在意義だからという理由です。

店舗復活には金銭的負担も大きく、周囲の反対もありましたが、それを押し切って、クラウドファンディングなどを活用して再建にこぎつけました。

南石さんの一生懸命さが、人を動かし、地域を動かしました。

現在はベトコンラーメン2店舗目やコラボ商品の開発、キッチンカ―の展開もしているそうです。

「企業は『人』です。一人一人が感謝の気持ちを持って、人として正しい人生を目指し、一生懸命に生きること。この行為が社会貢献だと思います。」

【「新しい価値の提案」「あるものを使い切る」】銘建工業 中島洋さん

銘建工業 中島洋さん

「私は木材の勉強をして会社に入ったわけでもなく、人生の目標もないままこの会社に入りました。」

中島さんが総務人事部長を務める銘建工業は、木造建築の骨組みに使う集成材の大手メーカーです。
新しい価値を提案することを大切にし、年間約3万2000棟の住宅の骨組みになる材料を作るだけでなく、集成材で大きな木造建築を可能にするための設計や工事にもチャレンジしています。

また10年ほど前からCLT(木の板を重ねて大きなパネルにしたヨーロッパ発の製品)も扱っていて、中島さんはこのプロジェクトの初期メンバーとして関わっています。
上司と2人だけの部署からスタートし、手作業でCLTの試作品を作ってみたり、建築研究所に出向して強度を調べたりしたと言います。
また日本にCLTを普及させるため、CLT協会で海外視察の企画などに取り組んだそうです。

大変なことも多かったけど、振り返ってみるとすごく楽しかった。いろいろな経験ができて良かったと話す中島さんは、CLTは地震や火事にも強く、木造の可能性を大きく広げる存在だと語ります。

そして会社ではもう1つ、「あるものを使い切ること」も大事にしていて、工場で出た木くずを有効活用していると話しました。
1日に出る木くずや端材は約200t。もともとはごみとなっていましたが、現在はバイオマス発電をして、工場の電力をまかなうための燃料となっています。

最後に、中島さんは高校生・大学生に向けて、
「将来の夢とかやりたいことが無くても問題ない。つまらないことでも、自分なりに楽しめるポイントを考えて見つける力があれば、楽しい人生が待っている。」とアドバイスを送りました。

【日本一 人と動物が暮らしやすい国「おかやま」を目指して】OneVET 大石太郎さん

OneVET 大石太郎さん

「このままでは人も動物もこの国からいなくなる。『どうにかせにゃおえん』それが私の岡山での獣医師としての始まりでした。」

大石さんは、岡山市のやさか動物病院で院長をする傍ら、地域の獣医療のレベルアップに取り組んでいます。

犬猫などを診る小動物医療は、それぞれの病院が独立しているため、治療方針がバラバラである問題を抱えています。大石さんはこれを逆手にとり、それぞれの病院が持つ知識や技術、得意分野を共有すれば、お互いの成長になるのではないかと考え、獣医師の勉強会グループを立ち上げました。そしてトリミング業界とのつながりや新たな雇用確保に向けた活動など、岡山の獣医療をより良くするための活動をどんどん広げていきました。

一方で、院長としての病院経営もおろそかにしてはいけないと気が付き、労働環境の整備や従業員の声を取り入れた経営計画の作成などといった運営改革にも力を注いでいます。
従業員という仲間が生き生きと働いて、動物病院を100年先にも残すためです。

また医療現場以外の活動では、動物関連のイベントやドッグカフェの建設にも関わっています。大石さんはイベントに参加したばかりのころ、そこにいる人や動物の笑顔に感動し、同じような場所をいろいろな所につくりたいと思ったそうです。

「日本一人と動物が暮らしやすい国おかやまを作る。これが僕の仕事であり、人生をかけて追いかけている夢です。」

【動きだせ われらのまちくらしき】KOMA 秋葉優一さん

KOMA 秋葉優一さん

秋葉さんは、倉敷市の企画会社「クラビズ」と、まちづくり会社「KOMA」の代表取締役社長です。

「皆さんは、大原孫三郎を知っていますか?」

会場で手を挙げたのは2人ほどでしたが…

大原孫三郎は、明治~昭和時代にいた倉敷市出身の実業家で、
町の人たちのために倉敷中央病院や大原美術館などをつくりました。
秋葉さんは「倉敷のまちをつくった方で、お金を持つことの意味や、企業が利益を社会に還元することについて、日本で最初に考えた人ではないか」と紹介し、まちづくり会社をやろうと思ったきっかけになった人物だと語ります。

そして株式会社KOMAのミッションは「この街を世界が惚れる倉敷に」であり、さまざまな課題に対して地域みんなが取り組んでいくための力を生み出したいと話しました。

学びの事業、街の開発事業、企業支援事業、観光移住促進、カルチャー事業とさまざまな取り組みを通じて、この街をWell-beingな場所(幸福で、精神的・肉体的、そして社会的、全てにおいて満たされた状態)にすることを目指しています。

「皆さんと一緒に何かいい社会を作っていけたらと思っています。われわれは手の届く所を徹底的に良くする。それが倉敷から世界に広がって、ちょっとでもプラスになっていくような活動をしていきたいです。」

【「食」でつなぐ まち・ひと・こころ】マルイ 松田和也さん

マルイ 松田和也さん

「マルイの23店舗には何万人ものお客様が来ます。誕生日にスーパーに来るお客様など、一人一人にストーリーがあります。」

松田さんが常務取締役を務めるマルイは、岡山・鳥取・島根でスーパーマーケットを展開しています。「絆」を経営方針に掲げていて、お客様、取引先、社内、地域との「絆」を大切にしています。

松田さんは、ただ食品を買うのではなく、その先にある価値を伝えたいと考えています。
例えばお米がどうやってできているか?ブロッコリーの収穫がどれだけ大変か?といったしんどさも、日々食べ物を口にする皆さんに知ってほしいと呼び掛けました。

マルイでは、食育基本法施行された翌年の2006年に「食育推進室」という部署を立ち上げ、子ども向けイベントや高校生・大学生との商品開発などを通じて地域の「食育」を進めています。

特に2007年から続けている小学生の絵画コンクールでは、「健康」「朝ごはんを食べよう」といった内容の作品が集まっていたが、最近は「生産者に感謝」「残さず食べよう」といったメッセージになっていて、そうしたトレンドの変化に驚いたと話します。
自分だけではなく、周りに対しても考える世の中になってきていることが、子どもたちの作品を通してみえてきます。

また、マルイ・エンゲージメントキャピタルという取り組みでは、「1BUY,1LOVE」として、お客さんが指定商品を1点買うごとに、マルイとメーカー、生産者が合計3円、地域に寄付をして地元小学校や図書館の資金にあてているそうです。

「皆さんはお家に帰ったら、当たり前のようにご飯を食べると思います。1食で誰かの意識を変えられるのが、私の今の仕事です。皆さんも、食以外でもいいので、いつか誰かの心を動かすような仕事をしてほしいと思っています。」

第二部「ホンネのフィードバック」では、2~3人グループに分かれて話し合い
ご参加の皆さま、ありがとうございました!

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