島根あさひ訓練センター
センター長:山田 大 さん
盲導犬という存在は知っていても、どこでどうやって訓練されているのか、どのくらいの数の盲導犬が活躍しているのかなど、少し踏み込んだことになるとよく知らない方が多いのではないでしょうか。
日本では、全国で836頭(2023年3月)の盲導犬が活躍しています。盲導犬育成団体は日本盲導犬協会を含み全部で11団体あり、そのすべてを合わせても年間で育成できる盲導犬は100頭ほど。それに対し、盲導犬を希望する人はおよそ3,000人いるとされています。まだまだ頭数が足りていないのが現状なんです。
日本盲導犬協会の訓練センターは全国に4か所あり、私は島根県にある島根あさひ訓練センターでセンター長を務めています。2023年4月にセンター長になったのですが、それまでは盲導犬歩行指導員として盲導犬の育成や歩行者訓練を10年以上担当してきたので、今も歩行訓練なども引き続き行っています。
岡山県と香川県では、長年にわたり番組で盲導犬の実情を伝え続けていただいていますが、実は私、2006年に「with 盲導犬」の前身番組である「絆・盲導犬訓練士」の取材を受けたことがあるんですよ。当時私は訓練士学校の1年生だったのですが、1年生10人の1年間を追うという取材でした。それが17年経って、今訓練センターのセンター長としてまた番組に関わらせていただいているのが、なんだか感慨深いですね。
盲導犬の一生には、協会のスタッフだけでなくたくさんのボランティアの方が関わってくださっています。
まず、生後1年程度まで家庭で育ててくれる「パピーウォーカー」と呼ばれるボランティアさんがいます。それから訓練の結果、性格などから盲導犬には向かないと判断された犬、「キャリアチェンジ犬」をペットとして引き取ってくれるボランティアさん。そして、10歳を迎えて盲導犬を引退した「引退犬」をペットとして迎えてくれるボランティアさんです。岡山・香川では、このボランティアの問合せを多くいただいています。
また2022年、番組で岡山県の盲導犬利用者を取材していただいたのですが、番組放送後は「テレビ見たよ」「がんばってね」といった声掛けをたくさんいただいたと出演したご本人から聞きました。こうして少しずつ周囲の理解が深まっていくことで、盲導犬利用者がもっと暮らしやすい社会になっていくことを願っています。
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