盲導犬の実情を知ってほしい

「当事者だけが、主役じゃない。」
テレビだからできる障がい者と盲導犬支援

湯浅 英幸

KSBマーケティング・セールス高松本社営業U

2016年入社

湯浅 英幸

出身地:岡山県

担当プロジェクト:with盲導犬」プロデューサー

~2005年スタート「with盲導犬」~
KSB瀬戸内海放送では、盲導犬育成事業支援番組として「with盲導犬」を放送しています。(毎週日曜午後5:25~)
目の不自由な人をサポートする盲導犬ですが、育成に必要な訓練士や施設が不足していることが課題となっています。
盲導犬に関わる人や犬について番組などを通じて発信することで、支援や理解の輪を広げていきます。

入社5年目で自ら手をあげた理由は「盲導犬って面白そう」

湯浅さんが盲導犬番組の担当になったのはどうしてですか?

湯浅2021年4月に異動した前任者が引継ぎ先を探していた時、「なんだか面白そうだな」と思って担当したいと手をあげました。当時は、盲導犬に特別関心があったというわけではありませんでしたが、担当になってから学べたことは多く、自分の世界が少し広がったように感じます。

番組プロデューサーって具体的に何をしますか?

湯浅対外的には「プロデューサー」という名が付いていますが、正直そう名乗るのは恥ずかしいです。なんか大げさに聞こえるというか、自分としては「担当している」という感覚です。
業務は活動に賛同してくれる企業を集めることがメインですが、プロデューサーらしいことでは放送枠の管理や番組内容の打ち合わせ、盲導犬協会と一緒に盲導犬のPR活動をしています。

全国で盲導犬と暮らせる人は3人に1人未満で実際に見かけることはまれ

番組は「盲導犬育成事業支援」ということですが、盲導犬やユーザーのことを知る機会は少ないと感じます。

湯浅日本盲導犬協会によると、全国に目の不自由な方はかなりの数がいます。一方で、盲導犬は育成がかなり難しいため年間約140頭しか育っていないようです。
2021年3月末のデータでは、約3000人の希望者に対して実際に活躍している盲導犬は861頭と、需要に対して供給が圧倒的に足りていません。

「盲導犬と暮らしたい」と要望を出しても、パートナー犬が見つかるまで待たないといけないのですね。

湯浅優先順位は既存の盲導犬ユーザーが一番らしいです。盲導犬が10歳までだったかな、年をとって引退すると後任が必要になるから、その分新規ユーザーまではなかなか行き渡らないようです。特に香川は盲導犬がかなり少ないみたいで、私も街なかで盲導犬を見かけることは正直ないですね。以前、東京出張で盲導犬を初めて見た時は、「やっと見かけることができた」と感動しました。

もっと盲導犬が身近になってほしいですね。しかし数を増やすとなれば訓練士も施設も増やさないといけないし、費用もかかりますね。

湯浅日本盲導犬協会以外にも盲導犬を育てている団体はあるので、日本全体の需要と供給の数は私が知っているよりも多いと思いますが、盲導犬が足りていない現状に変わりはないと思います。
我々の啓発活動にはさまざまな目的があって、盲導犬を増やすこと以外に、盲導犬への理解が深まれば目が不自由な人への声掛けやお手伝いにつながることも期待しています。

「何のための番組か?」スポンサーとの共感もヒントにしたい

社会貢献の要素が強い取り組みですが、スポンサーについて感じていることはありますか。

湯浅スポンサーとは、盲導犬の理解や支援につながることをもっと一緒にできればと思います。企業がこの事業のスポンサーになる広告的なメリットは他の番組よりも少なく、番組最後にロールスーパーで名前が流れるくらいで、自社のCMは流れないんです。他の特典といえば、チャリティーグッズや感謝状をお渡ししていることでしょうか。
それでもスポンサーの方々は「少しでも支援につながったらいいな」という気持ちで関わってくださっていると感じています。2022年9月末時点で8つの企業の方々と一緒にこの取り組みをしていますが、決してお金儲けでやっているわけじゃないことは伝えさせてください。だからこれからも一緒に、その気持ちを番組という形で、世の中に出せたらいいなと思っています。

担当してから制作本数を2倍に!たくさんの人にスポットライトがあたるには

番組作りについて、引き継いでから大切にしていることは何ですか

湯浅番組は制作会社がまとめ撮りで作っています。泊りがけのロケをして、3本分を一気に作ってしまうといったやり方ですね。私が引き継ぐ前は年間6本の素材を作っていました。
しかし、6本しかない素材を12か月のうちに何度も再放送することに違和感があり、2021年6月からは制作数を12本に増やしました。やっぱり放送の電波を使うだけでも多くの金額が動いていますし、幸い新しいスポンサーが見つかったタイミングでしたので、制作会社と話し合いを重ねてやり方を大きく変えました。
いろいろ忙しかったけど、盲導犬の情報をより発信するための体制に切り替えることができてよかったと感じます。

番組づくりのこだわりは何ですか?

湯浅「いろんな人を取り上げてほしい」ということ、「中国四国エリア、特に岡山香川の盲導犬について活動を紹介してほしい」という2つです。
「いろんな人」というのは、盲導犬に関わる全ての人のことです。
盲導犬に関わるのは「ユーザー」と「犬」だけではなく、例えば「訓練士」や「パピーウォーカー」という生後間もない候補犬を育てる人、役目を終えた「キャリアチェンジ犬」を迎えるボランティアの人など、最近まで私も知らなかった役割がたくさんあるので、世の中にもっと知ってほしいと思っています。
ディレクターとは信頼関係をもって、お互いに良い仕事をしたいと思っているので、ポイントを絞りすぎず、ある程度は現場の自由に作ってもらえればと考えていますが、ぜひいろいろな人を取り上げてほしいと話しています。

盲導犬を広めるために会社のグループやクライアント、そして地域を巻き込みたい

番組20年目に向けて、これからの目標を教えてください。

湯浅盲導犬について僕がグループ内への広報担当として働きかけ、グループ社員みんながこの活動を語れるようになると嬉しいです。
アイデアはいろいろ考えていますが、日本盲導犬協会の人とPR犬がKSBに来る回数を増やしてイベント的なことをできればと思っています。例えば盲導犬の仕事やデモを見てもらうとか。そこから発展して、いずれはスポンサーとか地域に住む人も巻き込んだイベントをいつかしてみたいです。

PR犬ってたまに会社に来てくれていて、触れ合うことができますよね。

湯浅そうですね。盲導犬は基本的に触ったらいけないのですが、PR犬は別です。厳密に言うと盲導犬になれなかった犬なので、ハーネスを外せば仕事モードから解放されて普通のペットと一緒みたいな感じになります。一応デモや訓練を受けていて、ハーネスも付けている犬なので、見た目では違いが分かりにくくちょっとややこしいですよね。盲導犬になる犬には適性があって、NGな例としては、賢すぎると目が不自由なことを理解していたずらをしてしまう、いろいろな刺激に敏感すぎるとサポートに集中できなくなってしまうといったケースです。1番良いのは穏やかでのんびり屋、マイペースな犬が採用される傾向にあるそうです。PR犬も、人懐っこくて盲導犬に向いていなかったなどの背景を持っていますが、広報係として活躍してくれています。

盲導犬の適性は意外と細かくて、興味深いですね。そういった知識を含め、いろいろな人と犬が支援に関わっていることが伝わればいいですね。社内イベントの他にこれからやりたい事はありますか?

湯浅番組や人のつながりなど、きっかけはいろいろあると思いますが、盲導犬や目が不自由な人について多くの人が知って、理解につながればと思います。
今後実現したいこととしては、盲導犬ユーザーさんを私はまだ東京で見かけただけなので、ぜひ会って話をしてみたいです。日本盲導犬協会の方から聞いたところ、どうやらユーザーさんは自分の足で歩きたい意思が強いからか、ポジティブで積極的な人が多いようです。お会いできる機会があればと思っています。

長く続いている盲導犬の啓発活動ですが、まだまだできることがたくさんありそうですね。ありがとうございました。

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