2018年入社
大西 智博
出身地:兵庫県
~Park KSBの高校野球~
KSB瀬戸内海放送では、夏の高校野球岡山・香川大会の情報を全試合お届けしています。テレビ放送だけではなく、バーチャル高校野球を通してのライブ配信やWEBメディアでの速報、スタンドで応援してくれる観客の方々へのうちわの配布など、Park KSBのグループ全社が様々な部門で関わりながら、高校球児・球児を支える人たちを応援しています。
みなさんは高校野球の事業にどのように関わりましたか?
藤田僕は去年から、夕方のニュース番組「News Park KSB」内で放送している「甲子園へのキセキ」というコーナーのデスクを担当しています。放送内容のネタ選びから、構成・現場に向かう取材班への指示、そして最後のVTRを作り上げるところまで全部を統括するという立場ですね。報道クリエイティブユニットに在籍し8年目になりますが、デスクを担当する前から高校野球にずっと携わってきました。
田中私は今年の4月に異動したばかりなので、コンテンツ事業ユニットでの高校野球の業務は今年が初めてでした。ライブ配信の配信業務や岡山・香川大会の準決勝・決勝のテレビ中継時に試合の進行状況によって中継終了時間を決定するサポート、放送全体を管理する部門へ伝える役割を担当しました。
藤田現場や制作進行の橋渡し的な重要な役割ですね。
田中そう思います。昨年まで別のユニットで高校野球の業務を担当していましたが、毎年開催される高校野球は、自分自身の成長を感じられますね。例えば、「去年は、私ここに気づけてなかったな・注意しないと」とか。担当している業務は、視聴者や地域の方からはわかりにくいかもしれないですけどね。その点、鈴木さんの担当されている業務は、すごく視聴者や地域の方からわかりやすいですよね。
鈴木そうですね。私は営業として高校野球を担当しているのですが、応援CMを作ったり、香川大会の準決勝や決勝のときに球場で来場者に配るうちわを作ったり。スポンサー企業にご協力いただきながら、どうすればもっと地元のみなさんと一緒に高校野球を盛り上げられるかを考えています。大西さんはあれですよね、スコアボードの。
大西はい。今年で3年目になりますが、球場のスコアボードを撮影し、AIで自動解析してライブ配信時に得点やカウントをテロップで掲出する「スコアボード解析システム」の担当をしています。このシステムは、香川県三豊市にある株式会社D-yorozuと共同開発したもので、導入した最初の年はうまくいくかどうか心配することもありましたが、もう3年目ということで今年は大きなトラブルなく運用できましたね。
業務内容が全く違うみなさんが、一緒に高校野球を作りあげていたのですね。
鈴木次年度の高校野球に向けたキックオフのミーティングは、前年の12月からスタートするんですよ。冬の時期から、今年度の高校野球の振り返りを行い、次年度はこうしたいといった具体的な話し合いが始まります。
藤田このミーティングがあるおかげで、他のユニットがどういうタイミングでどんな動きをしているかがよく見えるようになって、お互い連携がとりやすくなっていると思います。
鈴木みんなで、高校野球事業を作っているっていう気持ちにもなりますしね。
大西技術ユニットとしては、機材を準備する必要があるので、他ユニットの方々が今年どのように進めたいと思っているのかを早めに知れるので助かっています。
田中それだけいろんな人がそれぞれの仕事で関わって、一つひとつのコンテンツが生まれているんですね。
高校野球応援CM制作の苦労などはありますか?
鈴木コロナが流行していた頃は1校ずつ撮影して、数人だけの生徒に出演してもらっていたのですが、近年は少しずつ学校数が増えて、今年は、岡山・香川計10校の高校生約250人に参加いただきました。CMを知っていてくださる方が増えているのがすごくうれしいですね。
田中10校で約250人を集めるって、大変だったでしょうね!
鈴木各校の先生方も調整にご苦労されたと思うし、応援部や吹奏楽部のみなさんも事前に練習して撮影に臨んでくださるので、本当にみなさんの協力のおかげで成り立っています。ある香川県内の高校のグラウンドで撮影したのですが、撮影前日に雨が降って地面が水浸しだったんですよ。それを、野球部の生徒が朝早く出てきて、スポンジで水を吸ってくれていたんです!
大西そうだったんですか!
鈴木野球部の生徒はCMには出演いただけないのですが、自分たちを応援してくれているからって。本当に感動しました。
藤田CMに出た生徒たちも、思い出になるでしょうね。
鈴木実際に、「前から出たいと思っていた高校野球応援CMに出られてうれしい」とか、「おばあちゃんが見て喜んでくれた」とか、そういう声をいただくこともあります。そうやって、球児以外にもたくさんの高校生が頑張っているから、スポンサー企業の方々も応援したいと言ってくださっています。
高校生の姿を間近で見ていると思い入れも強くなりそうですね。
鈴木もう、勝手に感情移入して試合を見て泣きそうになっています(笑)
藤田わかります。なんか身内みたいな気持ちになりますよね。
鈴木毎年、高校野球事業に関わっているので高校生の成長も見えるし、保護者の方もお弁当を作ったり・送り迎えしたりしてずっとサポートしてきたのだろうなとか思うと、ぐっときますよね。そういう、選手以外の目線からの高校野球というのも、CMの要素として大切にしています。
藤田いろんな人に自分ゴトとして高校野球を見てもらいたいですよね。僕の場合、8年間高校野球に携わっていると、全然野球と関係ないニュースのロケ現場で、以前取材した元球児に会うこともあるんですよ。
田中すごい! なんかうれしいですね。
藤田「前、〇〇高校でキャプテンしていました」とかって声をかけてくれると、なんか感慨深いというか、じーんときますね。
大西きっと、取材された方はずっと覚えていますよね。僕の業務では直接高校生と関わることはないですが、スコアボード解析システムを制作しているときに、高専生と一緒に開発に取り組めたのは良い経験になりました。
藤田今も関わりがあるんですよね?
大西そうなんです。その、スコアボード解析システムを作ってくれた学生さん2人が高専在学中に起業して、今は企業の責任者としてシステムの改修や機能の追加などの相談に乗ってもらっています。自分としては、システムの開発に携わった経験も初めてだったし、それによってAIの特性もわかり、なにより学生だった彼らと今は企業人として付き合いが続いているというのが、この高校野球という事業があったからこそできた経験だなと思います。
番組制作で意識していることはありますか?
藤田ここ数年は、試合のハイライトを伝えるというよりも、誰か1人か2人に焦点を絞って、その球児の頑張ってきた姿を試合で描くという作り方をするよう意識しています。それが認知されてきたのか、最近は保護者の方や学校の先生から、こういう生徒がいるよという情報提供も増えてきて。
鈴木KSBがこういう番組を作っているというのが浸透してきたんですね。
藤田そうだと思います。高校野球って、地元での共通の話題っていう感じがあるじゃないですか。たとえば美容室で髪を切っているとき会話に困ったら、「今年はどの高校が、決勝に進みましたっけ?」って言うとか。そんな感じで、高校野球をいかにもっとたくさんの人にとって、共通の話題にしていけるかというのが、自分たちの仕事の楽しいところだなと思います。
田中確かに、仕事で野球と全く関わっていなくても、高校野球をずっと見ている人はたくさんいますよね。それで思い出したんですけど、今年、ライブ配信の業務をしている合間に近所にうどんを食べに行っていたんですよね。そのとき、向かいに座っていたビジネスマンの方がその配信をちょうど見ていたんです。
鈴木えー、すごい!
田中ですよね。自分たちが発信しているものを受け取っている人が目の前にいる、しかも、さっきまで会社で仕事をしていた人がちょっと昼休憩に立ち寄ったうどん屋で見ているという、日常に溶け込んでいる感じがすごくうれしくて、ハッピーな気持ちになりました。
藤田そういうの、うれしいですよね。高校野球の取材をしていると、試合に出られなくてもベンチで一番大きい声を出している生徒とか、スタンドで応援している部員たちの姿もよく見えるんですよ。彼らにとっての集大成がこの試合で、この2時間半とか3時間のためにこれまで頑張ってきている。そういうところをもっと見てほしいし、番組で取り上げる一人ひとりを少しでもカッコよく見せたいと思う。そうやって少しずつ高校野球のファンを増やしていきたいですね。