2012年度入社
安田 教祐
出身地:香川県
育休を2か月取得。
キャスター、記者、カメラマンと報道の最前線で活躍している皆さんにお集まりいただきました。現在の働き方を教えてください。
松木基本平日の勤務で、News Park KSBのMC(メインキャスター)をしています。朝7時半ごろに子どもにいってらっしゃいをして出社し、夕方のニュースが終わったら反省会に出席して、そのあとダッシュでお迎えに行きます。チームのみんなは帰宅時間を気にしてくれて、「反省会はパスしたら?」と言ってくれるのですが、やっぱり自分の振り返りのためにも参加したいので、机の上を片付けながらになりつつも、なるべく参加するようにしています。
井戸垣僕も、月曜から金曜日の勤務が基本で、月に1回ほど土日の勤務がありますね。その際は平日に振替の休みをとっています。朝は、妻が仕事の都合上家を出るのが早いので、子どもの支度等をして保育所に送ってから9時半に出社しています。その代わりに、夕方のお迎え以降の育児に関しては、基本的に妻が担当してくれています。
記者なので朝早い取材も中にはあるのですが、そんな取材の大半は、ベテランの先輩方が快く引き受けてくださっているから、今の育児分担が成り立っているのだなと感じています。
松木本当に職場のみなさんの支えがあってですよね。
安田僕はカメラマンなので、決まった時間の勤務ではなくて取材やロケによって変動しますね。会社がフレックスタイム制を導入しているのでその日のスケジュールによって出社時間を変えています。
上の子が今年小学校に入ったのですが、登校を見守ってその後に下の子を保育所に送って出勤という生活リズムですね。
自分が小1の時は一人で学校に行くのも平気だった気がしますが、親の目線になるとけっこう心配になってしまって途中まで通学する様子を見守りたいな…って思うんですよね。
現在は仕事と育児を両立されている印象のみなさんですが、そのモチベーションはどこから湧いてきていますか?
松木うーん、私は、仕事をがんばっている自分を糧に、子育てもがんばれるような気がしています。
両方やるのは大変!といえばそれまでですが、バランスをとりながらやっていく…もうそれだけじゃないですかね。
井戸垣そうですよね。なんか“振り子”みたいに、仕事をがんばったら子どもにもそれだけ愛情を注ぐことができるなって。どちらか片方じゃなくて両方一生懸命やっているから成り立っている、そんな感覚もあります。守るものが増えてその分頑張れる!とかそんな感じかな。
安田そのとおり。両方の存在があるからがんばれる!ってことはありますよね。あとは、子育てと向き合っているからこそ、それが仕事に生きているなって思うようなこともありますよ。
松木・井戸垣それそれ!ありますよね。
松木私は母親になったことで視野が広がったと感じています。いろいろな角度から見られるようになって。
学校や子育ての取材をするときも、当事者としていろいろな感情を抱くことが多くなりましたね。
安田分かります。子育てを通していろいろ気づかせてもらっている。例えば、何十回・何百回通っていた道なのに、ベビーカーを押して初めて道の段差に気づくんです。
車椅子に乗っている人にとっても不便だろうなとか・・想像したり。これ社会課題なんじゃないかなって。
それって報道の仕事に結びついてくるんじゃないかな。
松木視野が広がると、これまで見えてなかった社会の困りごととか課題に気づいたりしますよね。そういうこれまでと違った視点が取材でも生きてくれば、より視聴者の方にも共感してもらえるニュースが伝えられるのかもしれない。
井戸垣確かに視野が広がりますよね、生活者、報道人、夫に加えて親としての目線が加わりますから。僕は育児休業中に報道の仕事についてすごく感じたことがあって・・・。
松木何ですか?
井戸垣仕事を通じて、政治や経済、スポーツなど幅広い分野の人と接することができて、自分も生きがいを感じてたんだなと思いました。
また僕たち記者が情報を適切に届けることで、社会問題などについてもより多くの人に関心を持ってもらうことができる。それがよりよい社会を作ることにもつながる、大切な仕事だなって。自分の仕事に対してすごく誇りが持てるようになりました。
安田あと…報道の仕事の中で「さまざまな立場のひとの気持ちを理解する」ってすごく大事だと思うんですよね。育児も経験しているからこそ理解できることもあったりして。「この人は分かってくれる」って感じてくれたら取材するにしてもその人の本当の思いも引き出せるかもしれないし。
松木同じ立場の人だなって思ってもらえるだけで安心しますよね。
安田意外かもしれないけれど、実はカメラマンが取材対象の人の話をうなづきながら聞いているとけっこういい言葉が引き出せたりするんです。カメラを回しているときだけが仕事じゃなくて、取材前に話をする。そのときに共通の話題をもっているとそのあとの撮影にもいい効果が表れます。
井戸垣雰囲気づくりは記者も心掛けていることですが、そういった安田さんのようなチームメンバーの心配りがあってこそ充実した取材になっていると思います!
それぞれの立場で今後目指すことはありますか?
松木“ママが会社でいきいきと働いている” “女性が活躍できる会社なんだな”っていう発想につながる自分でいたいです。これからもキャスターとして自分の生の声を届けながら、視聴者の方に共感して見ていただける番組を目指したい。
チームや会社が支えてくれるからこそ今こんな風に働けているのですが、やっぱり子育てしながら働くのは大変で・・・会社にはたくさん支えてもらっています。ただ報道に携わる人間として、子育て制度とかこれから社会がどういう形で働く女性を応援するのか見ていきたいし、そういうしくみが増えるきっかけにもなれたらいいのかなって。
親としては、とにかく子どもを可愛がりたい、すぐ大きくなっちゃうので、今のこの時間を大事にしたいって毎日思っています。
安田取材対象者の本質的な言葉を引き出して、視聴者の“見たい・知りたい”を提供できるカメラマンでありたいですね。そうそう、僕が所属するウィザードでは2024年4月にフレックスタイム制が導入されて、「より時間を意識して仕事とプライベートを充実していける働き方に近づける」という会社の目標が打ち出されました。きっと子育てはあっという間だから…効率的に働いて自分も子どもとの関わり合いをこれまで以上に増やしていきたいですね。
井戸垣僕は子どもが生まれて「次の世代に何を残すか?」ということをとても意識するようになりました。
そしてこれが報道人としての自分のモチベーションにもなっています。僕は行政関連の取材をすることが多いのですが、子育てを経験して自分ごとに捉えられることが以前より多くなったんですね。そのために今起こっていることをちゃんと見ていきたいですし、視聴者にも正しく伝えたい。次の世代にちゃんとバトンタッチできるような仕事がしたいなと強く思っています。
子どもとは…もうちょっと大きくなったら、大好きなテニスでいつか遊んでくれたらいいなって思います(笑)
“子育て”という1つの経験が報道人としてのキャリアの糧となる。
どちらか一方ではなく両方を選択した3人からはこれからも仕事も育児も楽しむ気持ちがあふれていました。
これからも応援しています。お話ありがとうございました。